わしも見た(岐阜県) | コワイハナシ47

わしも見た(岐阜県)

あるバスガイドさんから聞いた話。

岐阜県のある旅館では、一般の人と顔を合わせないように、添乗員専用の宿泊場所がある。

一緒に仕事をしている運転手さんがこんなことを言った。

「あそこで寝ると、俺、必ずヘンな夢見よる。夢ん中でな、葬式に出てるんや。それがまたすごいはっきりしててな。部屋の真ん中に子供が寝とって、白い布が顔に被かぶせてあるから顔はわからん。で、周りで人がぎょうさん泣いとる。どうやらその中のひとりみたいなんや。せやけど俺ひとりだけ泣いてない。だからみんながなんで泣いてるのかがわからん。でな、出棺して、俺もみんなと焼き場に車に乗って行く。ここからがおかしい。俺だけ棺かん桶おけから離れられんで、焼却炉の中に棺桶と一緒に入ってまうねん。ガラガラと扉が閉められて、真っ暗になったと思ったらボンと火がついて、すぐゴオーッて燃える音がしよる。その棺桶が燃えるのがまたよう見えるんや。で、棺桶が真っ黒になってくとな、パンと蓋ふたが開いて子供が起き上がるんや。焼けた顔を見た瞬間に〝ボクや〟と大声を出してバッと夢から覚める。ただの夢やねんけど、体中汗でビッショリや。あそこに泊まった時に限って、同じ夢ばっかり見るんや」

すると、それを聞いていた別の運転手が、

「それ、岐阜のあそこやろ?わしも見た。四回ぐらいやったかな」

タバコに火をつけてひと息ついた後で、

「知らん子供の顔見て〝ボクや〟と言うのがごっつい、いややな」と笑った。

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