山の公園(青森県) | コワイハナシ47

山の公園(青森県)

こんな話を聞いた。

ある晩、莉子さんの友人が、青森県内のとある肝試しスポットからライブ動画を配信した。

そのスポットは山の中にある公園で、昼間はとても長閑な場所だ。

そこには観音像や石仏があり、幾つか古いトンネルもある。

『はーい!今、心霊スポットにいまーす!』

映っているのは莉子さんの友人カップルと他に二人。

手前にカップルがいて、他の二人はカップルの後ろにいた。

どんなメンバーなのか確かめようと、

〈楽しそう(笑)ところで後ろの二人は誰ー?〉

と莉子さんがコメントを打ったところ、少し間を置いてから、

『後ろなんて、いないいない!二人だけで来てる!やめてやめて!』

とカップルは血相を変えた。

彼らは後ろを振り返り引きつった笑顔を見せるが、配信映像を見る限りカップルの背後には彼らとは別の人影が二つある。

『冗談やめて!いないって!マジいないから!』

いるのである。

その公園に関して、こんな話も聞いた。

前田さんは鉄道会社に勤務しているベテラン車掌だ。

前田さんには所謂〈そういう力〉はないのだが、嫌いな駅がある。

夜中、その駅に着くと、数百メートルほど先に件の公園がある山が見える。

山の中腹辺りに幾つもの影があり、目を凝らすとそれらが甲冑を着た武士だということが分かる。

武士たちは、刀や槍を振って戦っている。

敗れた者は倒れ、山の斜面を転がり落ちる。

つまり、戦の光景が見えるというのだ。

だから、なるべく山のほうは見ない。

見てはいけない。見えてはいけないものが見えているのだ。

描写を重ねるほどに場所が特定されやすくなってしまうため、この話はここで閉じる。

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