不動明王(京都府) | コワイハナシ47

不動明王(京都府)

ある夏の夜のこと。Nさんはものすごい太鼓の音で目を覚ました。

閉めたはずの部屋の襖が開いていて、リビングが見える。やけに明るいなと思ったら中央で炎がメラメラと燃え上がっている。

「か、火事だ!」と眠気が飛んで視界がはっきりすると、リビングの真ん中に大きな不動明王が立っていて、その背後が燃えているのがわかった。いつの間にかその周りを白装束を着た男女が数人、正座をして取り囲み、一生懸命ひれ伏したり、お経のようなものを唱えたりしている。

それにあわせて、どこからかドーン、ドーンという太鼓の音が聞こえてくる。

あぜんとして見ていると、その白装束のひとりがこちらを振り返った。

老婆だった。

何じゃ、お前はとばかりにぐっとにらまれたNさんはゾッとして頭から布団を被った。

太鼓の音はそのまま、朝まで聞こえていた。

「その時も何人か泊まっていて、隣の部屋で寝てるんです。でも、誰も太鼓の音なんか聞いてないんですよ」

京都の幽霊マンションシリーズ vol.2

不動明王(京都府)※この話

落下(京都府)

ズルッズルッ(京都府)

身の上話(京都府)

ビデオ(京都府)

引っ越して……(京都府)

シェアする

フォローする