落下影(大阪府) | コワイハナシ47

落下影(大阪府)

Wさんは、昨年まで大阪のO大学に通っていた。

この大学にある校舎の四階に、畳敷きの大部屋があった。ここは申請すれば、一晩泊まることができた。

ある夜、Wさんたち五人の仲間がその部屋に泊まった。最初はバカ騒ぎをしていたが、その中のひとりが思い出したように「そういや、あそこの校舎からよく〝飛び降り〟があるって知ってるか?」と言う。

ちょうどこの部屋にある流し台の長い窓から、その校舎がよく見える。

「ちょっと行ってみないか?」とまた誰かが言い出したので、Wさんたちは懐中電灯を手にゆるやかな坂道を上って向かいの校舎へと向かった。

「ここじゃないか」と懐中電灯で足元を照らすと、コンクリートに黒い跡が消えずに残っている。

あそこから飛び降りるんだなと、見上げた。

そればかり見ていても仕方がないので、さあ、もう帰ろうと、一同が坂を下りかけた時だった。どすんという、重くつぶれるようなものすごい音に五人がいっせいに振り返った。

……なにもない。

空耳?と互いに顔を見合わせた。

怖くなって部屋へ戻ると先輩たちが来ていた。

「どこ行ってたんだ」と聞いてくる。

実は、とWさんが流しの窓を指さした時、全員が向かいの校舎の屋上から黒い人影が落ちるのを見た。

シェアする

フォローする