畳染み(京都市) | コワイハナシ47

畳染み(京都市)

Bさんが京都市内でアパートを捜している時に不動産屋から聞いた話。

あるアパートの一階の住人が引っ越すことになった。

当日、大家さん立ち会いで部屋の汚れや破損具合を調べた。

部屋の真ん中の畳一枚だけを張り替えればいいでしょう、ということになった。

畳の真ん中に、コーヒーをこぼしたような染みがあったからだ。

畳の張り替えの時、その不動産屋が立ち会った。

畳職人が「よいしょ」と外すと、裏にお札が一面に貼ってある。

「なんですかこれ!」と驚いたのは畳職人だけではない。立ち会っていた不動産屋も同じだ。

他の畳も見たが、お札が貼ってあるのはその一枚だけだ。

事情がわからない不動産屋は携帯電話で大家さんを呼び出した。

やって来た大家さんは畳を見て「ああ、これ、わしが貼ったんや」と言う。

大家さんが言うには、越した住人から妙な電話をもらったからだという。

部屋の真ん中に布団を敷いて寝ていると、背中になにかが当たる。

さて、敷き布団の下にテレビのリモコンでもあるのだろうと見てみる。

なにもない。

布団をずらして寝てみると、今度は足の下になにかが当たる。

そんなことが何夜か続くうちに、真ん中の畳の染みを避けて寝ればいいことに気がついて、そのまま生活していたという。

ある夜、トイレに行こうと立ち上がると、畳の真ん中から手首が生えている。

驚いて灯りをつけると消えていた。

待てよ、今まで寝ると下になにか当たっていたのは、これか?

そう思ったら気味が悪くなってあわてて大家さんに電話をかけてきたのだという。

そんな電話を受けたものの、どうしたらいいのかわからなくて、大家さんはお寺や神社を回ってありったけのお札をもって来て、とにかくその畳の裏に貼った。するとその日からは、なにも出なくなったというのだ。

この染み、以前はなかったのに、越した住人がはじめてこの物件を見に来た時にはすでにあったのだという。

「だから染みはいつの間にか自然に出来よったんですわ」と大家さんは平然と言いのけた。

その部屋ならものすごく安いよ、とすすめられた。

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