つづく(北海道) | コワイハナシ47

つづく(北海道)

青森県でバーのマスターを務める、植山さんから聞いた話。

二〇〇〇年七月、北海道。

当時植山さんは、温泉地にある有名ホテルに勤務していた。

ディナータイムまでは大広間での宴席やバイキングの手伝いをして、その後はバーテンダーとして腕を磨く日々を過ごしていた。

某日。宿泊客の一人が、遺体で発見された。

前夜の深酒がたたり、誤って部屋の窓から転落したものと判断された。

事故の翌日。

宴席の給仕を務めていた女性職員が、突如倒れてきたビア樽で足を骨折した。

事故の二日後。

洗い場を担当していた男性職員が、布団の中で息を引き取っているのが発見された。

事故の三日後。

バイキング用に設置していた蒸し器がガス爆発を起こし、植山さんは顔面を火傷した。

病院で措置を施されたものの、しばし寮の自室で療養する羽目になってしまった。

故に以下は、復帰後に同僚が教えてくれた話なのだという。

植山さんがケガした次の日にね、お祓いしたのよ。

流石にこれはおかしい、事故が続き過ぎてる、って話になって。

それにしても洗い場のおじさんもね……あれだけみんなで止めたのにねぇ。

あれ、植山さん知らなかった?彼、亡くなる前の日にね。

花を持って帰るって聞かなかったのよ。あんな花をね……。

窓から落ちてなくなったお客さんがいたじゃない。あの人にお供えされた花。

ホテルで回収して、洗い場のバケツに入れてあったのよ。

それを持って帰って次の日に亡くなるなんて、まるで自分用の葬式花みたいで。

一連の出来事は、全くの偶然なのかもしれない。

しかし、全てはあの大広間に纏わる出来事である。

凶事の皮切りとなったあの宿泊客は、大広間の直上の屋根に転落して亡くなっている。

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