座席童(大阪府) | コワイハナシ47

座席童(大阪府)

Nさんが両親から聞かされていた話。

小学校五年生の時に、家族でドライブに出かけた。

お父さんが運転席、お母さんが助手席、Nさんは後部座席にいた。

白昼の名神高速道路。

前を走る車の後部座席の子と目が合った。

相手は目が合うとニッコリ笑って、おいでおいでと手招きした。

なんだろうと両親の間から顔を出して前を見ようとすると、

「なにが見たいんだ」とお父さん。

「もうちょっと近寄って」

「どうして?」

「前の車の子が、おいでおいでしてるよ」と説明した。

えっと両親が顔を見合わせた。

「さっきからずっと前の車の後ろについて走っているけれど、子供なんかいないよ」

そんなはずはない、今も笑って手招きしている。

「じゃあ、近くに寄ってよく見てみようか」と、お父さんがアクセルを踏んで追い越し車線に入った瞬間、前の車がスピンして高速道路の側壁に激突した。

路肩に車を停めて、両親はすぐさま助けに飛び出した。

Nさんは後部座席から見ていたが、助け出されたのは一組の男女だけだった。

「あの時は、お前の見間違えに助けられたんだよな」と、両親はことあるごとにその話をした。

ところがNさんは、その時見た手招きしている子供や、両親との会話の記憶はない。

シェアする

フォローする