通学路に立つ鬼(茨城県 県北) | コワイハナシ47

通学路に立つ鬼(茨城県 県北)

女は鬼であった。

いつも辻に立ち登下校する子供たちを見ていた。

それは私にしか視えなかった。

血走った目で覗き込まれるたび、素知らぬ顔でやり過ごす。

ある日いつものように子供たちを眺め、ひどく哀しげな顔で立ち去った。

失った子を探していたのだと気付いたのは、大人になってからのことだ。

~月浦影の介~

「小学校に向かう道に鬼のような顔をした女性が立っていたんだ」

その時の話を月浦さんは話しはじめた。

「あれは小学校二年生くらいだったかな、上級生と列を組んで投稿するときに、いっつも同じ洋服の、えーと白い上下の服ってのしか覚えてないけど、顔がいわゆる鬼の面みたいなんですよ」

月浦さんにしかそれは見えていなかった。

その鬼の顔をした女は、いつも子どもたちの顔を一人一人間近で眺めては、次つぎと違う子のところへ行く。

「最初は何をしてるのか怖くて、もしかしたら、『この子だ!』って捕まえられたら、殺されちゃうんじゃないかと思って、ほとんどその鬼を見ないようにしていたんです。誰も気づいてないし、『私が気づいたら絶対捕まる!』って思って」

ところが、少したつとその鬼は悲しい顔に変わっていた。子どもの顔を遠巻きに眺め、次の日からぱったりといなくなった。

「大人になってから、その辻で人さらいにあった子がいたって聞いたんです。もちろん私たちが生まれるずっと前の話です。そこで毎日お母さんが立って『家の子どもを知りませんか?』と聞いていたそうです。雨の日も嵐の日も

だけどいつしかいなくなり、そのお母さんの遺体が川から上がったそうです」

だが、まだその母の子どもの遺体は何十年経った今でも見つからないそうだ。

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