殺人事件 遺体の山(茨城県 県北) | コワイハナシ47

殺人事件 遺体の山(茨城県 県北)

「うちの近くの山にね、いわくつきの場所があるんですよ」

と月浦さんが語った。

「場所ははっきり書かれると困るんですが、わかる人は知ってるはずです。川のすぐ後ろに山がありましてね。地元の人しか行かないような細い道がありまして、その奥に自殺の名所があるんですよ。なんでこんなところでと思うんですが……」

三、四十年ほど昔になるが、国民的アイドルの喫煙写真を流出させた元カレがいた。そこで亡くなったそうだ。だがとても不明点があった。

「そのときは、地元でもないのにそこに行くのはなぜ? なんでここにきたんだろうって近所でも話してたんですよ。土地勘もない人は来ないですからね。しかも自殺でしょう?」

そしてもっとも悲惨で悪質な栃木の小学生誘拐事件があった。その被害者の遺体が発見されたのもその山奥だった。

「あのときは驚きました。地元の人もほとんど行かない場所なんですよ」

「なぜですか?」

「実は火葬場があるんですよ。ちょうど遺体発見の場所と道を挟んで反対側の道になるんですけどね。誰も行きたがらないですよね、もちろん火葬場には葬儀場もあるんで、お弔いの時は行きますけども。地元の亡くなった人はほぼその火葬場でやりますよ……」

この事件は、犯人が捕まったものの、謎の多い事件であった。事件からかなりの時間が経って、犯人逮捕に至った。

小学校低学年だった被害者の少女は、栃木から連れ去られ、六十キロも離れたこの山の奥で発見された。ちょうど旅行者が見つけたそうで、地元の人は行かないが、バードウォッチングをする人に偶然見つけられたのだ。

ここの位置的な見取り図を描いてもらった。火葬場に行く道は、車一台通れる程度の細い道で、山を越えると大通りの国道になる。

「これも不思議なんですよ。地元の人もいかないようなところに、連れ込むというのがね……」

暗いし、火葬場もあるから誰も行かない場所は、逆を言えば誰にも見つからない場所でもある。しかし車が行くのは珍しいということは、車一台の細い道を通れば、誰かが見て証言者がいるはずだ。

ただ、カメラもその細い道にはなく、国道にしかなかったようだ。

単純に地図を見ただけだと、国道から入って右に入り遺体を遺棄したなら、山道に不審車両が一時停止しなければいけない。

その車両は誰も通らないからわからない、ということを犯人は知っていたはずだ。それも栃木のナンバーなら目立つだろう。もし茨城のナンバーで、霊柩車だったらどうだろう。

火葬場には遺体安置所がある。

そういった場所は多くの霊魂がさまよっていてもおかしくはないが……。

「でも、すぐに遺体発見になったんですよ、不思議なんです、誰も地元の人が行かないような場所に、地元でもない人が見つけて。偶然とは言い切れない、何か霊的なものを感じずにはいれませんね……火葬場があるからでしょうか」

何ともいえぬ事件である。

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