腹を刺す武士霊(茨城県常陸大宮市) | コワイハナシ47

腹を刺す武士霊(茨城県常陸大宮市)

母方の本家の柱には古い刀傷があった。幕末の頃、侍達が乱入して斬り合った痕だとか。 会津に逃れようと敗走中の幕軍を、官軍が追撃したらしい。大勢の若者が死に、維新後に慰霊碑が建てられた。 風の強い夜など、雄叫びや悲鳴が風の音に混じって聴こえる。彼らは今も闘い続けているのだろうか。~月浦影の介~

月浦さんが家で寝ていると、お腹ををチクチク刺される感覚があった。

(なんだろう……)

特に金縛りもなく、目を開けてみた。すると……

白っぽい人影で刀のようなもの(白っぽい棒)の切先が月浦さんのお腹をツンツンと刺していた。

おなかの表面が傷むだけだったが、尋常な状態ではない。

「何だお前! 出ていけ!」

とどなると、すうと窓の外に白い人影は出て行った。

この辺りは、のどかな場所ではあるが、戦いがあった。

供養はしていない幕府軍の兵の霊が出るとも言われる。

ちょうど幕府軍が維新の政府軍に追われ、会津に逃げる道であった。

御前山辺りは元は宿場町であり、今でいう民泊もあったのだろう。家に追ってきた敵と斬りあいになったため、刀傷が残っている家もある。

水戸から大子に向かう国道が走っている、あの地域の話だ。

その後、月浦さんの家系で跡取りの早世が増えたので、横浜にいる霊媒師に見てもらうことになった。その霊媒師はこう答えた。

「家から少し離れた山裾に山の集落がありますね。そこに行き倒れた人を弔った人たちのお墓がある。人から忘れられて荒れ放題になっている。

そこを拝んで弔えば、家に起きる様々な不幸はなおります」

そんなお墓があるのかな、と半信半疑で探してみると、言われた通りの小さなお墓があった。

皆驚いた。親戚も、その先祖からも墓のことは何も聞いていないのに、全く違う場所から霊視できたことだったからだ。

そして草刈りに墓掃除をして、お坊さんにきちんと供養してもらった。

その後は、跡取りがいない家ではあったが、気丈に娘三人育て、早世する人はいなくなった。

この行き倒れの人と本家の先祖と何か関係があって、子孫にまでサワリがあったようだ。

今もサワリがないかどうかは確認できていない。

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