保養所の防犯カメラ(茨城県大洗町) | コワイハナシ47

保養所の防犯カメラ(茨城県大洗町)

大洗海岸の近くにはたくさんのホテルがある。その中にはラブホテルもあれば、会社の保養所、そして経営難だったのか廃墟ホテルもある。今は保養所も随分少なくなり、オーナーが替わって経営しているところが多い。

後藤さんが同僚と三人で保養所に泊った時に起きた話だ。

部屋にあるお風呂場の洗面台の扉が少しだけ開いていた。

何となく後藤さんは気になって扉を閉めにいった。十センチほど開いていただろうか。電気をつけっぱなしにしていたので、その電気も消そうと、見えていたスイッチを隙間から伸ばして探った。その時だった。

電気が付いた瞬間に足が見えたのだ。足の指にマニキュアがしてあり、女性の足だった。

十センチの隙間にあった。

「キャー!」

後藤さんは思い切り叫んでしまった。同僚たちは驚いてその声に起きた。

「どうしたの!?」

「今、ここに手をいれたら、足があったのよ!」

それからすぐに受付に話し来てもらった。だが何もなかった。

「もしかしたら、廊下に何か映ってるかもしれませんね」

すぐ廊下の映像を見せてもらった。不審者などが入らないよう最近はこうしてカメラが設置してある。

廊下は数人は行き来していた。だが普通の人間しか歩いていない。

「あっこれ! 何? 巻き戻ししてください」

同僚の一人が言った。もう一度巻き戻しして拡大する。

ひたひたと歩く足だけが映っていた。足首から下だけでその上はなかった。この部屋の前で止まり、そこから映像は途絶えた。足が消えたのだ。

四人共悲鳴を上げた。そして受付の人が何か知っているように口ごもった。

「これは……」

「この部屋、なんかあったんですか?」

「いや、何もないんです。ただこのすぐ裏のラブホテルでも霊が出たって騒ぎになっていて……多分、水死者の霊だろうってことになりました」

「水死者?」

「はい、海岸に打ち上げられた後、こうして浮遊するみたいなんですよね……最近もほら、身元不明のが上がったでしょ。なぜかこの近くの岸にたどり着くみたいでね……それも岩にぶつかったりで、足だけ、胴体だけってのもあるんですよ」

それを聞いて後藤さんたち四人は、すぐにその部屋を出て帰ることにした。

大洗海岸は太平洋に面した長い海岸であり、水死体が流れ着くことが多い。それも体の一部分ということもあるそうだ。岩場に当たり、人間の身体など粉々に砕けてしまうからだ。もしくは遺体をバラバラにして海に捨てられた人もいるだろう。

この保養所のすぐ近くにある、霊が出るという裏のラブホテルはまだ経営している。大通りを右に入ったわかりにくい作りで、その二階に出るそうだ。経営していた会社の総務がここまで給料を運んでいた二十年前からその噂は絶えず、経営者が変わってしまった。しかし今も別のオーナーが経営中で、隣が空き地になっている。試しに彼や彼女と心霊ラブホテルに誘うのもオツなものだ。足だけが歩いて、あなたを見張りにくるかもしれないが。

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