迷惑物件(茨城県取手市) | コワイハナシ47

迷惑物件(茨城県取手市)

「都内に通える安い物件を探しちゃあ、引っ越してるんですけど、本当に不動産運がないんですよ~僕は。いつも変なのに当たっちゃいます」

と祐二さんは語った。

取手駅は常磐線で都内に出やすいので、利用するサラリーマンが多い。祐二さんもその一人だった。

1DKのアパートで家賃が二万円。格安だった。不動産屋が言うには

「前の人は転勤で、二か月で出たんですよ。だからクリーニング代ないんで安くします」

というのが格安の理由だった。

ところが、住んで三日目にあることに気が付いた。隣から聞こえる音が気になるのだ。

夜中にぼそぼそと女性二人が話しているのだ。しかも毎晩。

一週間も経つとさすがに腹が立ってきた。深夜眠れなくなってしまうからだ。

会ったら注意しようと思って、その二人が廊下に出てくるタイミングを見計らっていた。

でもなかなか彼女たちが出て来ることがない。

「あいつら、仕事してないのかな」

かといって、隣の呼び鈴を押してまで注意というのも、やりすぎだし。不動産屋に電話してみた。

「あの、隣の部屋の女性が二人してずーっとしゃべってるんです。注意してもらえませんか」

すると不動産屋は今まで聞いたこともないような、低い声で言った。

「お宅の両隣、誰も住んでませんよ」

祐二さんはゾッとした。

じゃあこの声はなんだ?と壁に耳を当てて聞いてみた。

やっぱり女性の声がする。何を言っているのか、その時はっきり聞こえた。

「……隣の人、感じ悪いね」

「そうだね。そろそろやろうか……」

祐二さんは更に血の気が引いて、その日からは都内のネットカフェに泊まる生活、すぐに違うアパートを借りた。

「高くつきましたよ……でも不動産屋に強く言ったら、まけてくれました。以前、隣の部屋で腐乱死体が見つかったそうで……女が二人で住んでいたそうなんですけどね。で、前にいた住人は、精神を病んで入院中なんだそうです。転勤なんて嘘でしたよ」

出入りの激しい物件は、何かといわくがある。

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