添い寝する(宮城県白石市) | コワイハナシ47

添い寝する(宮城県白石市)

芹沢さんの叔父さんの家は、宮城県白石市にある。

周りを深い緑に囲まれて、平屋の日本家屋が建っているのだ。

その家で、叔父さん自身が体験した話である。

夜。余りの寝苦しさに、叔父さんは目が覚めた。

身体が重い。布団ごと畳に縛り付けられたかのように、身動きが取れない。

声を上げようにも呻くほかなく、そもそも叔父さんは一人暮らしであった。

だんだんと闇に目が慣れ、うっすらと辺りの様子が見えてきた。

いったい、この重さは何だろうか。

――!

自分のすぐ隣に、誰かが寝ている。

ぼろぼろの甲冑で全身を覆い、ざんばら髪が垂れ落ちて。

落ち武者、としか形容のしようがなかった。

その土気色の顔が、こちらを向いている。

目と目が、合った。

南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……。

叔父さんは必死で念仏を唱えた。

日頃、決して信心深い訳ではない。それでも唱えずにはいられなかった。

「斯様なものは儂には効かぬぞ」

目の前の落ち武者が、口を歪めてそう言った。

けれども、叔父さんとてそれで納得できるはずがない。

お帰りください、いいから帰ってください、と心の中で何度も言った。

「もうよい。また来る」

そんな言葉を言い残して、落ち武者はすうっと姿を消した。

「……今は改装されて明るくなったけれど、古い家独特のあの暗さが苦手で。幽霊が出ても全然不思議じゃない雰囲気はありました。家の裏には雑木林があって。叔父さんは日中、そこで黒い人影を見たとも言っていました。そしてその夜、寝所に現れたのだと。いったい誰だったんでしょうね」

芹沢さんはそう語った。

あれから、落ち武者は現れていない。

次は、いつ現れるのであろうか。

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