五枚の連続写真(沖縄県) | コワイハナシ47

五枚の連続写真(沖縄県)

Mさんという女性から「ちょっと気持ち悪い写真があるんですけど」と、珊瑚礁を撮った五枚連続の水中写真を見せていただいた。

Mさんのご主人が沖縄の海で撮ったものだという。

もう十年以上も前のことだ。

ご主人が水中写真を撮っていた時のことだった。

フィルムが残り少なくなった時、背中に悪寒が走った。何となく、自分の後ろに片腕だけがうねりながら泳いでいる……一瞬そう思った。

思いきって振り返ったが、やはりただの珊瑚礁しかない。

何だ、と残りをすべて撮りきった。

家に帰ってふたりで写真を整理していた。

「あなたこれ何?この五枚、何を撮ったの?」

「五枚?ああそれ」といきさつを話して、特に何もねらっていないから変だろ?と言う。

「そんな変じゃなくって、ほら」とMさんが見せた写真にご主人はギョッとした。

何だこれ、カメラの前には何もなかったぞ。これじゃまるで潜水艦の窓ごしのような写真じゃないか。

一枚目、何の変哲もない碧い珊瑚礁のある水中写真。上に少しうすぼんやりしたものがある。

二枚目、ピンボケのように見える。小さな光のようなものが水中に流れて珊瑚礁が見えない。

三枚目、珊瑚礁のある水中写真に戻る。肌色をした大小の何かが写り込んでいる。

四枚目、肌色のものが大きくなって、人の指のようにも見える。

そして五枚目。

指だ。物体として水中にあるというより浮き出ているという感じだ。ちゃんと爪もある。気のせいか、ピンクのマニキュアをした女性の指にも見える。

「ねっ、変な写真でしょ?」とMさん。

本当だ。水中なのに、写っている指が水中の光のものではない。

写り込むにしてもカメラを持っている手ではないし、指なら指としてもあまりに長さが不揃いだ。

しげしげと眺めていると、Mさんが、「何年か前に、久しぶりにこの写真を押し入れから見つけたんです。ああ、そういえば主人の撮った最後の写真だわ」と言う。

「最後?」

この写真と関係があるのかどうかはわからないが、ご主人はこれを最後に行方不明になっている。

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