天王寺(大阪市天王寺区) | コワイハナシ47

天王寺(大阪市天王寺区)

Nさんは電車で通勤していて、途中天王寺で乗り換える。

ある朝も、いつものように満員電車に乗っていると急停車した。

人身事故のため、しばらくお待ちください、というアナウンス。

車内は満員で、すし詰め状態だ。そのうえ長く待たされて乗客のイライラがつのっていく。

やがて運転再開のアナウンス。

同時に電車は動き出した。

やれやれと、Nさんは目の前の駅名が表示される電光掲示板を何気なく見た。

そこに、赤黒く毛筆で書かれた漢字が流れはじめた。

なんやこれ。

まるで血で書かれたお経のようだ。

驚いてまわりを見てみたが、満員の車内で誰ひとりそれを見ていない。

しばらくして、その筆の文字がだんだん薄くなり、最後に人の名前が表示されると消えた。

そしていつもの電光文字に戻り、〝次は天王寺〟と表示が流れた。

その名前ははじめて見る名だったという。

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