のっぺらぼう(東京都八王子市) | コワイハナシ47

のっぺらぼう(東京都八王子市)

Kさんが八王子に住んでいた時のこと。

夕方、テレビを見ていたら、ギィイイーと木のきしむ音がする。

振り返ると自分の部屋のドアが音をたてて開こうとしている。

こんな音なんかしたっけ?

閉めにいって、またテレビの前に戻った。

また木のきしむ音がする。

見るとまたドアが開いて真っ暗な部屋が見える。

おかしいな、しっかり閉めたしドアノブを回さないと開かないのに……。

もう一度ガチャンと閉めた。やっぱりドアノブを回さないと開かない。

開閉してみたが、音などしない。

そもそも金属の蝶番しかないから、音の原因がわからない。

おかしいわね?

テレビの前に戻ったが、後ろを向いてドアを見つめることにした。

ギィイイー。

そのままドアを見ていた。

ゆっくりドアが開いていく。その向こうに何かある。

何かしら?

何かが自分の部屋にふわっと浮いている。

長い間洗っていないようなボサボサの髪をした丸顔、ガサガサした肌で目も鼻もない。

噓でしょ……。

浮いている人の顔は、ゆっくりゆっくり右に移動して、ドアの内側にある本棚の方へと消えた。

あんなものが自分の部屋に、と思うとしばらく動けなかった。

…………。

気がつくと今の自分の部屋には窓からの夕日が射していてとても明るい。

しかし、さっき開いたドアの向こうは、確かに暗闇だった。

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