家具付き物件(茨城県土浦市) | コワイハナシ47

家具付き物件(茨城県土浦市)

祐二さんが三回目の引っ越しをするために、貸家物件に入ったときのことだ。

家具や電化製品もついていて、家賃も格安の物件ということで紹介者に案内された。

その家は2Kになっていて、和風の平屋だった。畳の部屋が二つあり、手前に台所や洗面台、お風呂、トイレがある。奥は居住スペースだった。

床の間のようなところに、金庫があった。

「これ、金庫もついてるんですか?」

「そうなんです。使っていいですよ。家具も全部ついてますので、便利でしょう?」

金庫の扉を開けて中を見た時だった。

床の間の横の窓からじいーっと見られている。強い視線を感じた。

ふと窓を見ると、おばあさんと子供が三人くらいで見ている。

おばあさんは背中が曲がって、しわしわの顔。目だけがランランとこっちを見ている。子供は小学生くらいで、おばあさんの隣に二人で立っている。ぎょろとした目でこっちを見ている。近所の人が見に来たのかなと思い、紹介者に尋ねた。

祐二さんは窓を指さして、

「あの、今こっちを見てる人たちは、いつもこうやって覗かれるんですか?」

「え? どこですか」

紹介者はとぼけたような素振りで、窓の方を見ない。

「見えるでしょ、ほら、今もじーっと覗いてるじゃないですか」

おばあさんと子供は相変わらず覗いている。不動産屋は冷や汗をかきながら、

「すみません。私には見えないんですけれど……」

「何言ってるんすか、完全に三人が覗いてるじゃないすか!」

祐二さんが金庫を閉めて、床の間の上を見た。お札が数枚貼ってある。金庫の裏も見ると、何かを隠したような紙が貼ってある。窓をみると三人の姿は消えていた。

「ちょっと、ここ絶対何かありますよね!」

祐二さんは紹介者を問い詰めた。

「ちっ」

祐二さんの耳元で聞こえた。紹介者の舌打ちではない。寒気が襲った。

そこを借りるのはもちろん止めた。後で他の不動産屋に聞くと、そこは一家五人が住んでいた夜逃げ物件だった。借金を苦に逃げている最中に、夫婦は車内でおばあさんと子供を殺した後、車ごと東北の海に突っ込んで心中したのだそうだ。

金庫にしまってあったお金が底をついて、死ぬしかないと思ったのだろう。

遺体が見つかったあとも、三人の魂はどうしてもこの家に戻ってきてしまうそうだ。

紹介者はこの夫婦の債権者で、訳あってどうしても貸したかったのだろう、と。

シェアする

フォローする