赤迫池に突き立てられていたお札(大分市丹川) | コワイハナシ47

赤迫池に突き立てられていたお札(大分市丹川)

大分の心霊スポットの中でも、その危険度は上位に入ると言われている「赤迫池」。

噂によると、その昔、池の水が枯れてしまうことを恐れた人々が生贄を捧げていたという話や、この池は自殺の名所であるという話もあるが、基本的に、公園や池、ダムは、自殺が一件や二件起こっているのは、さほど珍しいことではない、という話が。

というのも、日本の年間自殺者数は約三万人と言われているが、不審死の数は十五万人を超えており、その半数ほどを「遺書のない自殺」だと考えるならば、実際には毎年三万人よりかなり多い数の人間が、自ら命を絶っているということになる。

自宅で自殺する人も多いのだろうが、野外での死を選ぶ人もいるわけで、公園や池、ダムというのは、人目につかない場所にあることが多く、かといって、そのまま見つけられずに忘れ去られてしまう可能性は少ないという条件が揃っているため。死に場所として選ぶ人が多いのだ。

これほど多くの自殺者が出ている昨今において、事件性や特異性がなければニュースに出ることはほとんどなく、人々には知られていないが、実は過去に数人の自殺者が出ている場所、なんてのはザラにあるのだ。

赤迫池もそういった話がささやかれているが、特に危険なんてないだろうと考えながら現地へと向かったのだが、車を停めて池へと近づいていくと、その場所で不思議なものが目に留まった。

道の脇にコンクリートの土台があり、その先に地面から竹が突き立てられていて、竹の先端には何か紙のようなものが挟まれている。

「ちょっとそれ取ってみて」

一緒に探索をしていたメンバーの一人に声をかけると、紙の上部を掴んでスルッと引っ張り上げた。

「キャーーーー!!」

紙を引き上げたと同時に、林の方から叫び声のようなものが聞こえてきた。動物の鳴き声にしても、タイミングが良すぎる……。

引き上げた紙には、竹に挟まれていた部分に文字が隠されていた。

「お札や……」

『稜威御霊幸賜』と読める。調べたのだが、残念ながらその意味までは特定することができなかった。しかし、池に向けてお札が供えてあるなんて、これは何かを封印でもしているのではないかと、学の無い我々が焦り始めたところ、池の周辺が何やらざわついてきた。

林から聞こえてきた悲鳴のような音に始まり、池自体もボチャボチャと謎の音を立て始める。偶然だろうとは思うのだが、これらはお札を抜いたすぐ後に起こったので、我々はそこに眠っていた、起こしてはならぬものを目覚めさせてしまったのではないかと、戦慄し始めた。

その後も、池の周りを黙々と進んで行くのだが、時折水底から何かが這い上がってくるような異音や、どこからともなく聞こえてくる、原因不明の「ヴーーン!」というバイブ音のようなものに、必要以上に驚きつつ、霊の存在を確かめようと試みるが、決定的な怪奇現象を捉えることはできない。

このままで終わるのかと、皆の口数が少なくなってきたその時、メンバーの一人が池とは反対側の斜面を見て声を上げた。

「うわっ! 人がおる!」

「どうした?」

カメラとライトを斜面に向けるが、そこには木々が生い茂っているだけで、人のようなものは確認できない。

「山の方に人がおったと?」

「いたと思うんですけどね! ほら! あの辺ですよ。白い服着た人です」

白い服を見たと、指を差している方向にカメラを向け、手で持ったまま固定して撮影していると、あることに気づいた。

人が立っていたという場所の上には、太くて丈夫そうな枝が真横に一本突き出している。その根元には擦れたような跡があるのだ。

「おい、あれって誰かが首吊った木やないとや? 人見たの、ちょうどあの枝の下やろ?」

「そうです……なんか気持ち悪いっすね」

カメラを下げながら木の全景を撮影していると、根元にゴミのようなものが落ちている。それはよく見ると、枯れて萎びた花束だった。

「おい、ここ本当に人亡くなっとうぞ……」

リアルな痕跡を見つけてしまい、気分は沈んだが、その後も撮影を続けながら車まで戻り、赤迫池を後にした。

シェアする

フォローする