重い!重い!(愛媛県) | コワイハナシ47

重い!重い!(愛媛県)

愛媛県での話。

Yさんが、お昼に買い物に出かけた時のことだった。

買い物には、ハンドル前に大きなカゴのついた自転車を使っている。

いつもの道を通って、いつもの店に向かって、いつものようにペダルを踏んでいた。

天気もいいし、身体を流れる風も心地よい。

午前中に干した布団も洗濯物も、きっとご機嫌に違いないなどと考えていると、急に前のカゴがズシッと重くなった気がしたとたんハンドルが左右に首を振り出して自転車がふらついた。

危ない!と思ってバランスをとろうとするのに、どんどんハンドルがふらついていく。

ペダルの踏みこみに力がかかりはじめる。

自転車のバランスを操るうちに、これと似た体感を思い出した。

たくさんの買い物で前のカゴが重い時だ。

でも目の前のカゴは空だ。

そう気がついた時にまた、ズシッと重くなった。

空なのによく見ると、カゴ全体が少し丸みをつけて膨らんでいるような気がする。

ハンドルを左手で持って、右手をカゴに入れてみたがやはりなにも入っていない。

こんなに重いのに、気のせいなの?と思った時にタイヤを見ると、少し広がり気味に沈んでいる。

振り返ると後輪はそれほど沈んでいない。

やっぱり前だけが重いと思った時、またズシッと重くなった。

カゴがまた少し広がった気がする。

重い!!

十キロ以上のお米の袋がカゴに入っているみたいに感じる。

もう駄目!と思った時に後ろから来た自動車にすぐ横を追い抜かれた。

途端にハンドルやペダルが軽くなって、前輪がわずかに浮いたような気がした。

いや、確かに元通りの走りになっている。

不思議なこともあるものだと思った。

夜、お父さんに話すと「重い、重い、と思ったんだろ?」と言って笑い出す。

「それがどうかしたっていうの!」と思わず嚙かみついた。

「そりゃ〝狐に乗られた〟っていうんだ」と言い返された。

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