ガチャッ(大阪府) | コワイハナシ47

ガチャッ(大阪府)

大阪環状線のS駅近くにあるラブホテルであった話だそうだ。

Aさんは天神祭の帰り、彼氏とラブホテルに入った。

人混みの中を長く歩いていたこともあり、先にお風呂に入りたいとAさんが言うと、お湯がたまるまでの時間が勿体無いから、彼氏が一緒にシャワーを浴びたいと言った。

服を脱ぎ、シャワーを浴びながら二人でいちゃついていると、ガチャッとドアノブが回る音がした。

シャワーの水音越しでも聞こえる、それは大きな音だったらしい。

「誰や!」

彼氏がシャワーブースの中から声をかけても、相手は何も言わない。

ドアをちゃんと閉めてなくて誰かが間違って入って来た?それとも店員の嫌がらせだろうか?そんなことを思いながらAさんは彼氏の後ろに隠れ、タオルを素早く体に巻き付けた。

ごそごそと人の気配がし続けていたので「シャワーに入っているところを見計らって入って来た物盗りかも知れへん。警察に電話したいから先に出る。お前はここにおり」と言って彼氏はパンツだけを素早く穿いて出て行った。

そして、すぐに戻って来た。

「誰もおらんかった。扉の建て付けが悪いんか、ここ壁が薄いんかな?隣の部屋の音が聞こえて来ただけかも知れへん。ビビって損した」

再びシャワーを浴びてから、ベッドに腰掛けると、ガチャッとドアノブが回って入り口のドアが開いた。

二人してドアの方に顔を向けると、グレーのスーツ姿の男が入って来た。

「なんやお前!」彼氏が怒鳴ると、スーツ姿の男は「すいません」と小さな声で謝り、すたすたと歩いてトイレに入って行った。

彼氏が怒り心頭でトイレのドアを開けると、そこには誰も居なかった。

流石に気持ち悪くなり、Aさんと彼氏は服を着てチェックアウトすることにした。

「なんか納得出来へん。幽霊出る部屋に通されたんやったら許せへん。俺、フロントに文句言うとく」

怒りの収まらない彼氏は、受話器でフロントにいきさつを話したらしいのだが、二人でクスリでもやっていて幻覚でも見たんだろうと、全く取り合って貰えなかったらしい。

だが、後日インターネットで調べたところ、そのラブホテルの以前の経営者が、ネクタイで首を吊って亡くなっていたという情報を見つけた。

それだけではなく、事故物件を集めたサイトで検索してみると、二人が利用したラブホテルで首吊りを行った人が、複数いたことが分かったそうだ。

そのラブホテル、実は私が以前勤めていた会社の隣に建っていた。窓の灯りが四六時中点滅していたり、黒い紙が貼られている窓があったりと、少し気になる物件だったのだが、現在は建て直されて、普通のビジネスホテルになっている。

シェアする

フォローする