枚方にある遊園地(大阪府) | コワイハナシ47

枚方にある遊園地(大阪府)

高校時代に男二人で、枚方にある某遊園地に遊びに行ったという小川さんと松村さんから聞いた話。

小学校時代から付き合いのある二人は、ある夏の日に遊園地に行くことに決めた。

結構前の話だということで、どうして二人で行くことにしたのか、理由は覚えていないらしい。

遊園地に着くと、夏休みの最中ということもあり、どこも乗り物は混みあっていた。

暑い真夏の最中に、日陰が殆ど無い屋外で、乗り物に乗るために並ぶのはしんどいと小川さんが言うと、折角来たんやから、なんか乗らな勿体無いやろと松村さんが言い、最初なんに乗るかじゃんけんで決めようということになったそうだ。

じゃんけんの結果、まず遊園地の丘の上にある観覧車に乗ろうということになった。

理由はなんとなく、空いてそうと思ったのと、松村さんが絶叫系マシーンがあまり得意でないからということだった。

そして二人はすぐに、その選択が間違いだと気が付いた。

観覧車まで続く道が急な坂で、すぐに汗だくになってしまったからだ。

でも、観覧車のゴンドラの中は涼しいだろうし、高いところから下を見降ろしたら爽快になるに違いないと予想を立て、お互いを励まし合いながら目的地に着いた。

観覧車乗り場は空いていて、誰も並んでいなかった。それもその筈、その遊園地のゴンドラには、クーラー等の冷房装置がついていなかったのだ。

ちなみに、その遊園地では二〇一八年に「たぶん日本一あつい観覧車」という企画を開催している。

「たぶん日本一あつい観覧車」は、特別に暖房器具をゴンドラ内に置いて暑くしたわけではなく、ただただ日光によって温められたゴンドラを、そう呼んだ企画だった。

それくらい、何もしなくっても暑いのだ。

しかし、小川さんと松村さんは折角ここまで苦労して丘を登って来たんだし、もう乗るためのチケットをもう買ってしまったからということで、二人で観覧車のゴンドラに乗った。

中はうだるような暑さだったそうだ。

「男同士で遊園地って侘しいよなあ」

「彼女と乗っとったら、この蒸し暑い観覧車もちょっとは楽しかったんとちゃう?」

二人で会話をしている間に、そろそろ頂上に差し掛かろうという高さになった。

そんな時に「コンコン」と外からドアを叩く音がした。

地上から百メートルほどの高さだ、人の手が届くことはありえないし、木の枝が偶然この高さまで舞い上がって、ドアをピンポイントで叩く可能性も低い。

二人が顔を見合わせていると、次は「バンバン」と掌でドアの辺りを叩くような音がした。

日差しの明るい真昼間で、さっきまであんなにだらだらと流れ続けていた汗も、急に引いた。

「なあ」と小川さんが声をかけると「黙っとけ」と松村さんに返された。後で聞いたところ、この時松村さんは、心の中で悪霊退散と唱え続けていたらしい。

地上に着くまでの時間は数分だったが、とても長く感じられた。

遊園地の係員がドアを開けると、二人とも我先にと競うようにゴンドラを下りたらしい。

少し気分が悪くなったので、近くの売店で休み、その後、CMでよく使われている暴走車のアトラクションにだけ乗って、その日二人は帰ったそうだ。

帰り道の電車の中で、二人は観覧車のゴンドラの中で、どうしてあんな変なことが起こったのだろうかと随分話し合った。

その結果、思いついた理由というのが、二つあったらしい。

一つは、史上最恐の幽霊屋敷「四谷怪談~お岩の怨念~」というのを、その時遊園地が企画でやっていた。

彼ら二人がその年、学園祭で四谷怪談を茶化した仮装をやって驚かせていたので、お岩さんの霊のせいではないかという理由。

もう一つの理由は、凄く暑がっていた彼ら二人を涼しがらせようとして、その辺りの上空を漂ってた幽霊が驚かせに来てくれたんじゃないかというもの。

どちらの理由が真相に近いのかは分からないけれど、ユニバ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)より枚方の遊園地派だという二人は、今も定期的に通っているのだそうだ。

ただ、観覧車だけは二人では乗らないことに決めているのだという。

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