立ちション(京都府 太秦) | コワイハナシ47

立ちション(京都府 太秦)

ヘンな話だと笑われるでしょうが、と役者のNさんがこんな話をした。

ある真夜中のことだという。

京都市の太秦の撮影所近くにある狭い裏路地を、録音技師のSさんと帰っていた。

その路地の先で、背広を着た男が背中を向けて立っている。

この路地に沿って流れる用水路に向かって小便をしているようだ。

人ひとりがやっと通れる狭い裏路地のこと。ふたりは〝武士の情〟とその男の用事が終わるのを待った。

ところが二分たっても五分たっても終わらない。

長い。あまりにも長い。長すぎると思ってよく見ると、街灯に照らされて下に落ちる小便は見えるのに、音がない。

すると男は、Nさんたちを振り返って、ありゃ、見つかった?というような顔をして消えた。

ふたりはしばらく啞然としたが、やがて、噓やろ、と笑ってしまった。

帰っていざ寝ようと電気を消して暗くなったとたんに、消えた瞬間を思い出して怖くなったという。

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