ガタロ(大阪市西区) | コワイハナシ47

ガタロ(大阪市西区)

パソコンの中のデータを整理していると、かつて収集した怪談話が出てきた。

「松島のガタロ」と書いてあったそのフォルダからの話。

大阪で「ちょんの間」とか遊郭というたら、飛田を思い浮かべる人が多いんやろうけど、松島もあるでしょ、松島遊郭。

あの場所の近くに昔住んどってね、意味は分からないけど親に、あそこには子供は近寄ったらあかんときつく言われとった。

そいで、何しとったんか忘れてしまったんやけど、尻無川の縁を友達と歩いておったら、ざばあっと水の中から、ガタロ(河童)が出てきおってん。

嘘やと今までさんざん言われてきましたけどね、確かに見たんや。

大阪に出るガタロはね、他の土地に出るんと違って血を吸うんや。どっから言うたら、お尻からちゅーっと。

だから水死体でね、青白かったり血の気がないんは、ガタロに吸われた死体やって言われててん。僕も一回だけ、子供の頃にね、吸われた後じゃないかっていう死体も見てんで。

マネキンやないかっていうくらい、蠟燭の蠟と同じくらい真っ白。

通報せんかったのと言われても、戦後間もないころやからね。誰も気にしないし、警察に言うても多分、取り合わなかったと思います。

当時は子供やったしね。親も何か忙しそうにしとったし、行き倒れや、餓死者もようさんおったから、死体なんか適当にほっぽらかす時代やったもん。

引き揚げもんやら、特攻崩れのヒロポン中毒者とか、もう無茶苦茶やったからね。

でも、ほんまにそんな時代におったんですよ、ガタロが。見たもんが言うんやから、信じひんと。

姿はね、ザンバラ髪で歯が鋭かったね。あんなんで吸い付かれたら、そりゃ死んでしまうやろうなあと思いますね。

昭和の頃はね、大阪はお化けがまだまだほんまにおった時代やったんでしょうな。

歴史学者の宮本又次の著書にも大阪市内で目撃されたガタロや川太郎の話が多く載っている。

大阪市内を自由気ままに泳いでいた河童たちは、どこへ行ってしまったのだろう。

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