榎ばばあ(大阪市旭区) | コワイハナシ47

榎ばばあ(大阪市旭区)

不思議な話が大好きで、お化けハンターになりたいと言っていた旭区在住のUさんから聞いた話。Uさんは紫とピンクのメッシュが入った白髪を伸ばし、服装もポンチョと着物を合わせたようなのを着ていて、首からはいろんな宝石がじゃらじゃらと付いたネックレスを束ねて下げていて、両手の爪を五センチ以上の長さに伸ばしている。

見ようによっては、Uさん自身がちょっと妖怪っぽい。

ちなみにUさんが以前住んでいた部屋の押し入れには、特に悪さをするわけでもないが、座敷わらしのような子供のお化けが住んでいたのだそうだ。

「今市一丁目の宝龍寺の境内にな、昔、榎ばばあってお化けが住んでたんです。腰の下に榎の木の枝と葉っぱだけを付けた姿で、木の上でじっと人が来るのを待ってて、下を人が通るとねえ、その人の親しい人の声を真似して、名前を呼ぶんです。

そして、ん?とでも返事したら木の上に吸い上げられて、目玉を抜かれたり、腰が立たんようにされて、喰われてしまう。

だから榎の木の下では、どんな人の呼びかけでも決して返事したらアカンかってんて。でも、度胸のある人が、木の上に登って、丁度昼寝しとった榎ばばあの髪の毛を引っ張って、木から引きずり降ろして、鉈でずっぱりと体を切り裂いて退治してしもうたんやて。

だけどな、その後も、榎ばばあは人こそ襲わんようになったけど、たびたび木の上で見かける人がおったらしい。不死身やったんかな。

宝龍寺に、榎ばばあが住んどった榎の木は今は無いんやけど、天然記念物に指定されてる樹齢八百年以上の楠の木があるねん。

その木はな、豊臣秀吉が大坂城を造る時に、天守閣の棟がなかなか上がらんくて、凄い困らはってんて。

そうしたらなあ、秀吉の夢に白い大きな蛇が現れて、私は大楠の主であると告げて、祀らないから大坂城の天守閣を建てるの邪魔してると言うてんて。

秀吉が調べたら確かに大楠があったから、その祟りやろうって木を祀ってん。そうしたら天守閣の棟も無事上がってんて。

白い蛇さんのいる木より、榎ばばあのいた木の方が残って欲しかったのになあ、今は榎だけ無いのは悲しいな」

Uさんは心の底から残念そうに言っていた。

だが、お化けは気まぐれに住処を変えることがあるそうなので、もしかしたら今も大阪市内のどこかの榎の木に、榎ばばあがいるかも知れないということだった。

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