天王寺駅界隈の怪談(大阪府) | コワイハナシ47

天王寺駅界隈の怪談(大阪府)

天王寺に住んで長いという木村さんから聞いた話。

「死ぬ前に、誰かにこういう話をしとこうかなと思ってね。持病持ちやしね、でも仕事はしとるよ、警備員。葬式代くらいはね、自分で貯めておきたいし。いざ、お迎えが来た時に、誰にも迷惑をかけたくないからね。

色々変なもんは見たことあるよ。仕事中にも、仕事してへん時にもね。天王寺駅前のGビルのトイレあるやろ。あっこは男の子の幽霊が昔、ようおった。

服装はいっつも同じ。幼稚園児が着るようなスモックでね、下は青いズボン。靴下は白で上履き履いて出てくんの。

声だけの時もあんねん。かくれんぼしよるつもりなんかな。もういいよーとか、十まで数かぞえてたりね。

怖いかどうか言うたら、まあ怖いけど、仕事やし、ビビってたら恰好つかんでしょ。

あとねえ、四天王寺前夕陽ヶ丘駅。

あそこよう幽霊おるね。昼間でも見るで、普通のお客さんに交じっててね、途中でお線香の煙みたいに、すっと消えおる。

駅員の幽霊も見たことあるで。線路の脇で必死になにかを探しとってな、もうそろそろ電車来るのに危ないなあって見てたら、すうっと薄くなって消えた。

あとなあ、スパワールド脇の階段。あそこに時々もんぺ姿の女の人が、顔の欠けた赤ちゃん抱いて立っとるよ。

幽霊とちゃうけどね、凄いもん見たこともあってな。あべの筋と旧熊野街道の間に安倍晴明神社ってあるやろ。ほら、陰陽師で有名な。

あっこもなあ、なんかおるよ。昔飲み仲間とぶらぶら歩いとってね、夕方時にな、大きな腕くらいの大きさと長さの百足が、脚をザワザワ動かしながら、停めてあった軽トラの下に潜り込むのん見てん。あれは血の気が引いたなあ。

地名の六万体とかも意味ありげやしね。近くの真光院に聖徳太子が六万体地蔵を埋めたんが由来らしいけど、六万体って当時は途方もない数やろ。

なんでそんだけの数を聖徳太子は埋めなアカンかってんやろうな。天王寺界隈は何かあると思うね。でも、不気味なとこもあるから好きやねんこの辺りが。なんかね、アカンもんが封じ込められてるような気がする土地やからね」

阿倍野区に聳え立つあべのハルカスにあった、子供服売場に勤務していたというUさんから聞いた話。

「わたしの職場のみんなが体験した話ってわけじゃないし、たいして怖くないんですけどね、売場にいると、たまにこう、クイっと後ろに髪の毛や服を下に向かって引っ張られるんです。

なんかに引っ掛けたか、変なお客さんかな?って振り向いても、誰もいないんです。

それで、なんでかそういう目に遭うのは女性ばっかりで、しかも座って作業している時が多いんです。

で、誰が言うたんか忘れてしまったんですけど、あれ、髪の毛引っ張ってんのは子供と違うか?って。背が届かないから、座っている時に髪の毛を引っ張るんじゃないかって。

それで、社員の同僚がある日、髪の毛を強く引っ張られた時に、後ろを振り向かないままで〝ママを探してるの?〟って聞いたんです。

そうしたら、小さい子の声で〝うん……〟って聞こえてきて。

もう、その人、売り場中に響き渡るような声で、わああって悲鳴上げたんですよ。怖かったというか、ビックリしたみたいで。

でね、髪の毛を引っ張られた人たち、なんとなく顔というか雰囲気が似てることに、後で気が付いたんです。

母親かもと思って、子供の幽霊が引っ張ってたんかなあって。

私は二、三回くらいしか体験ないし、気のせいかな?って程度にしか思ってなかったから、そんなに怖くなかったんですけどね。

今はそのお店無くなって、別のテナントが入ってるんです。その子が今もママを探してるのかどうかは分からないです」

天王寺駅近くの商業施設に勤めている小川さんから聞いた話。

うちの勤務先、別に自殺者が出たとか、そんなんじゃないんですよ。

閉店後に天井の辺りから〝アハハ〟って笑い声とかよく聞こえるし、休憩室の隅でひそひそと老婆の声がよく聞こえることもあって、みんな不思議に思ってるんですよ。

塩とか撒いたことあるけど、効果は無かったですね。

好きな物を扱う職場やから、辞めたくないんですけどね。お化けは結構、嫌やって思ってるから、これ以上続くようやったら、仕事変えようかなって迷ってて。

何か悪いことするとか、そういうのはなくって。でも、それでもやっぱ怖いじゃないですか。

開店準備してる時にガタガタってレジが置いてある机が鳴ったり、吊り下がってる服と服の間に微笑んでる日本髪のおばちゃんの顔が覗いていたりするんですよ。目が合った時に生きた心地しなかったし、他にも、黴った目玉みたいなのが塊でざわざわ連なって進む様子を、トイレで見たって人もいるんです」

お互いにおそらく面識はないと思われる人たちから、場所も年も違う時に収集した話なのに、幾つか奇妙な類似点があるように感じてしまった。

天王寺界隈に、多くの何かが本当にいるのだろうか。

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