葦嶽山日本のピラミッドの未確認物体(広島県庄原市) | コワイハナシ47

葦嶽山日本のピラミッドの未確認物体(広島県庄原市)

もう30年以上前のことになるが……庄原市に住むSさんは話す。

小学校2年くらいかな、友人のK君という子がいた。

体が小さいし運動もできないし、変わった事を言ってしまうからいじめられやすかった。だけど頭はものすごく良かったと思う。ただ嘘つきだった。「嘘つきK」としてクラスでも浮いた存在だった。

「Kと言うと口がKになる」

嫌な言い方だった。

K君は近所の葦嶽山が好きだった。ここは日本のピラミッドとして戦前の研究家が発表し、今もミステリースポットとして有名だ。

2万5000年前の遺跡で、きれいな三角形の山。普通山といえば、木や土で形成されるのがほとんど。この山は岩が多く、それも人工的に石を切って作ったように見受けられる。古代人がエジプトから流れ、文明を作り、この日本の広島で造ったと言ってもおかしくはない。

神武天皇陵とも伝えられた経緯があるため、戦前の「ピラミッド説」と様々な文化遺跡が、当時の国家権力に潰されたとも言われる。

K君に言わせると、そこは宇宙人がそこをキー局として利用するため、こんな造りにしてあるのだと言っていた。

しかもK君は宇宙人にさらわれ、この山の「鷹石」の上に降ろされたと言うのだ。当時UFOはテレビでも話題で、誰もがその話をワクワクして聞いた。

しかしK君を連れて頂上まで登っても、UFOは現れなかった。

「また嘘つきやがった! こいつ! 大体あんな山、神でも宇宙人でも何でもねえ。石に蹴りいれといたわ」

特に代表格のガキ大将のLが執拗にからかい、いじめていた。Lは小さいころから暴力的な子だったので、山もバカにしていた。

それが半年ほど続いた頃だったろうか。僕だけはK君のUFO話を信じていた。

ある夜、雨の中K君が家にやってきた。傘をさしていないので見ると、傘が折れてぼろぼろだった。また陰湿ないじめで傘を折られたりしたのだろう。

濡れたK君を中に入れると、テレビのリモコンのような物を見せてくれた。

「何じゃ、これ」

「悪い奴らを制裁する機械じゃ」

K君は泣きもせず、いじめも受け流していたから、僕はその言葉に驚いた。

「僕は人間の形をしたレーダーで、この世に要らないものを消す役割として、宇宙から派遣された。この星を美しい星のままでいさせるために、あのピラミッドがあるんだ。今夜はついに生贄を××様にお渡しする」

「そ、それはどういう意味じゃ? もうやめたほうがええ。そんなこと言ってるからいつまでもいじめられんじゃ。そんなんじゃまともに生きていけんって」

K君はじろりと僕を見た。

「お前は見て見ぬふりのB級人間」

と言われたかと思うと、K君に何かを当てられ、全身がしびれて倒れた。そこからの記憶はなく、気が付いたら朝、ベッドで起きた。

僕はどこで何をやったか覚えていない。

翌日学校に行くと、クラスですすりなく声が聞こえた。教室の中でみんなが泣いている。

Lが昨夜、自宅が火事になり亡くなったというのだ。僕ははっとしてK君を探した。K君は学校に来ていなかった。

放課後どうしても気になり、K君の家に行った。小さいころから一緒に遊んでいたから道も覚えていたが、なぜかたどりつけない。母親に連絡してみた。

「K君の家、どこだったっけ?」

すると母親が驚くことを言った。

「K君? あの子は半年前に引っ越したでしょ? どこ行ったか私も知らんわ」

「ええ? 昨日うちに来とったんに、見とらんかった?」

「そんなん見とらんよ。お母さん昨日は家にずっとおったやろ。誰も来んかった」

煙に巻かれるとはこういうことだ。

学校で聞いても、K君はLやみんなにいじめられてすぐ引っ越したという。もちろん先生にも聞いたが、同じ答えだった。

僕が見続けた半年間のK君はなんだったんだろう。本当に宇宙人だったのかもしれない。だけどそんな事言ったら、またK君みたいにバカにされる。ずっと心にしまっていた。

大人になり上京してから、たまに実家の近くの葦嶽山に登ることがあった。働いていた大手証券会社の上司が厳しく、うつになりかけていた時だった。K君が降りたという鷹岩を触りたくなって上がったのだ。

「あんな会社潰れたらいいのに」

心が病んでいた僕は、上司の名前と会社名を言い、ぶつぶつと念を送った。

「B級人間」

K君の声が響いた気がした。

その後、偶然にもその証券会社が突然倒産した。社員にも何も話がなく、突然の大型倒産で当時は大変だった。そしてその上司も買ったばかりの家のローンが払えず家族で失踪してしまったという。自分の念が通じてしまった。

それ以降恐ろしくなって、僕は葦嶽山では何も考えず心を無にしているんだと言うSさん。

K君の足取りはわからないが、きっと宇宙の研究をしているんだと思うとSさんは言った。

大宇宙の事はわからないが、小学校2年生くらいの頃、突然引っ越したり転校していった不思議な子っているものだ。

あれは夢だったのかと思うくらい、人生で二度と会うことがない。

もしかしたら何か影響を与えるためにやってきた、宇宙人の化身か、神を祀る山で冒涜した人間への怒りの力かもしれない。心霊はその手先かもしれない。

葦嶽山だけは何万年も変わらず、地上を見つめている。

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