やめれ!(沖縄県那覇市) | コワイハナシ47

やめれ!(沖縄県那覇市)

那覇市の某所にツルオバアが営む小さな商店がある。観光客などまず来ない、近所の人たちが醤油とかスパム缶詰を買いにくるような小さな店である。

その店の横にツルオバア所有の土地なのだが、大きなアコウの木が聳え立っている空き地があった。それは神木のように祀られてあって、ツルオバアは毎朝アコウの木に水を御供えするのを日課としていた。

だがある朝アコウの木に行って見ると、丁度オバアの顔と同じ高さくらいの場所に、五寸釘を真ん中に打ち付けた藁人形がひとつ突き刺さっていた。

「何てこと! 神木に罰当たりなことをするねー」

ツルオバアは腹が立ってしまい、家からペンチを持ってくると、その釘を抜いて、藁人形を取り外してしまった。

「誰か知らんけどさ、神様の木にこんなもの打ち付けるなんて、罰当たりもいいとこさー。まぶやーまぶやー」

そういいながらオバアは、藁人形と釘をスーパーのレジ袋に無造作に突っ込んで、商店の前にあるゴミ箱に捨てようとした。

するとその瞬間、ゴミ袋の中から「やめれ!」という甲高い年配の女性の声が聞こえてきたという。

「うるさい、私の土地だよ。あんたこそやめれ!」とオバアはその声に怒鳴り返して、そのままゴミ箱の中に強引に押し込んでしまった。

それっきり、声は聞こえなくなったという。

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