帯広児童会館 離れない少女(北海道帯広市緑が丘) | コワイハナシ47

帯広児童会館 離れない少女(北海道帯広市緑が丘)

ずいぶん前のことだった。

帯広にある「帯広児童会館」に仕事で立ち寄った時の事。建物自体は白い壁に赤い屋根の北海道らしい建物で、そこまで古さは感じなかった。

なのに何だか陰湿で重苦しい空気感が漂っていたのだ。

湿気があるわけでも何でもないが、階段付近あたりで息苦しくなった。

そして、そこに来ている子供の様子が変だった。妙に静かなのだ。

階段の下に小学校高学年くらいの女の子が立っていた。じっとこっちを見ているなとは感じたが、服装だけちらりと見ることにした。

黄色いトレーナーに赤いスカート。肩くらいの黒髪。だけど妙にボサボサだった。

(ん?)

よく見ると黄色いトレーナーに柄が入っている。赤い……赤黒い……。

血だ! 胸から下はほぼ真っ赤だ。

その瞬間、女の子の顔が見えた。口が横に大きく広がっている。

(この子は死んでる)

僕は時折だが霊を見る。いや、見かけるという方が正しい。

見ても慣れない。同じようにぞぞっと背筋が凍りつくのは変わらない。

急いで仕事用の乗用車に乗り、走らせた。

広い敷地内を出たところに、交差点があった。そこで止まってふと向かい側を見ると、またさっきの黄色いトレーナーの女の子が立っていた。

「うわわわ」

僕はとにかくこういう時は声を出す。黙っているともっと怖くなるからだ。

急いで車を発進し、しばらく行くとなんだか空気が重くなってきた。

肩にズシンと石が乗っかるような感覚だ。

もしかして……恐る恐るバックミラーを見る。

黄色いトレーナーの女の子が後部シートに座っている!

もうだめだ! これ以上は運転が危ない!

「君がいるとこはここじゃない! ここじゃない!」

僕はとにかく大声を上げた。これくらいしないと魂が持ってかれそうになるからだ。

そのときすっと車内の空気が動いたのを感じた。

その瞬間僕は、後ろを見ようとしてしまった。

顔の横に、血みどろの女の子の広がった口がある!

僕を覗き込んでいるのだ。もう悲鳴が出ない。

「だからここじゃない! すぐ帰るんだ!」

僕は前だけ見て運転し続けた。

するとか細い声で、

「わかってます。話せてよかった」

すっと空気が軽くなった。恐る恐るバックミラーを見たけど、もう誰もいなかった。

その後もう10年近く帯広に行くことはなかった。ある心霊のサイトを見て初めてあの女の子がどういう子かわかった。

噂によると、あの児童館の階段で亡くなった子がいたそうだ。

飛び降りなのか、事故なのか、突き落とされたのかわからないが、血だらけで落ちた場所には取れないシミが残ったという。

それを隠すかのようにオブジェが置いてあるというのだが、ちょうど僕があの子を見かけたのがそんな場所だった。

そのサイトを見たとたん、また肩が重くなったけど、あの悲しそうなか細い声を思い出すと……何だか涙ばかりが出た。

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