直別トンネルにたたずむ老人の霊と骨(北海道釧路市) | コワイハナシ47

直別トンネルにたたずむ老人の霊と骨(北海道釧路市)

札幌に向かう国道38号線を通る道。

3つのトンネルの最後が「直別トンネル」だった。

そこは道も狭いし、何となく気味が悪い。陰湿な空気感というか。

さっさと通り過ぎようと、スピ―ドを上げた。

普段からラジオは聞かないが、トンネル内で無音だと何か見てしまいそう。

ラジオのスイッチを押した。

ガーガー言う音の中で、少しだけどこかの局を拾えたようだ。

シーンとした中、声が聞こえ始めた。

「……た、だすげてけろ……」

ぞっとした。

その唸るような声はしばらく続く。どうも怪談話でもやってるのか、ホラードラマなんだか、山形訛りの声が地鳴りのように響く。

「うげええええ」

もうダメだ。怖すぎる。違う局にしようとするが、ガーガー言うだけ。ラジオを消してしまった。

一瞬目をラジオの方に向けた瞬間、目の前に白いひげのおじいさんがいた。

ドンっと鈍い音がした。

「危ない!」

キキーっとブレーキが鳴り、あまりのスピードダウンにエンストした。

エンジンをかけるがなかなか、かからない。

人を轢いてしまったか……と恐る恐るドアを開けて外に出る。

一台も車が通らない。車を路肩ギリギリに停める。

でもさっきのおじいさんはいなかった。

ただ、石のカケラのようなものが落ちていた。

何となくそれを拾って車に乗せ、運転してトンネルを出た。

あのドンって音、石を踏んだんだろうか。パンクしていないといいけどな。でも確かにおじいさんがいたはずなんだが……。

そう考えているうち、肩がずんずん重くなってくるのを感じた。

札幌の友人宅に着く。友人は霊感が強く、お祓い道場をやっている。

玄関から中に入ると、友人が驚いた顔で見た。

そしてすぐに私の肩に榊やら白い布みたいなのを掛けて、呪文を唱えた。大きな数珠を私の手にかけ、祈れという。

何となく肩が軽くなった。

友人はまだ神妙な顔をして言った。

「何かよくないものを拾っただろう?」

「良くないもの……ああ、さっき直別トンネルで拾ったな、石みたいの」

友人は車を見たいといい、車の中にあった石のかけらを拾う。

「これだ……」

車の外と中、その石を持って祭壇のようなところに上げた。

「何やってんだよ」

「お前、これが何か知ってるか?」

「石……か?」

「よく見ろ。これは人骨だよ」

ぞっとした。

トンネル内では全くわからなかった。

で、警察に持って行き、持ち帰った骨は老人の骨だったと聞いた。

いつの時代のものか、明治時代くらいの古い人骨らしい。

友人には、私が老人の霊をおぶって入ってきたので、慌ててお祓いの儀式をしたんだという。お祓いしても老人が私から離れないので、強い引きの力が別の場所にあると感じたそうだ。

友人が見たのも、白いひげの老人だったという、

あの時引いたと思った老人はやはり……この世の人間ではなかった。

シェアする

フォローする