松前公園に見えた蛇の霊(北海道松前町) | コワイハナシ47

松前公園に見えた蛇の霊(北海道松前町)

北海道松前藩の時代の松前城の近くにある公園。

ここには「血脈桜」という九重に咲く大きな桜の木がある。樹齢250年とも言われ、昔から名所として名高い。

スポーツ合宿で松前町に行った時の事だった。

体格のいい男子10人くらいで、夜の松前公園を見に行った。古城の近くっていうのはやはり気味が悪い。

その時、「血脈桜」と書かれた看板を見つけ、その近くの神社で携帯で写真を撮ったり、騒いだりしていた。

歩いていると、一人が木にぶら下がってる紐みたいなものに気付き、それを取った。

白いロープだった。

「誰かここで首つりしたんじゃね?」

仲間で笑いながら、首を吊るポーズをした。

その時、何となく背後でザワ、ザワと動く音がした。

霊というより、特殊な動物が近づいている感じ。

妙な悪寒を感じて、周りの木の上を見ると、それは蠢いていた。

「うわ! あれ見ろ!」

白い蛇。

何匹も木の上からぶら下がって、首をもたげている。

何十匹もいそうだった。

蛇独特の「シュウ、シュウ」という鳴き声が響く。仲間のうち見えるのは自分ともう一人の仲間だけだった。

血脈桜を見ると、そこにはもっと大きい蛇が桜の木を巻いていた。

「何か白いのあるな」

誰かが言った。僕は「蛇だ、大蛇だ!」と心の中で叫んだが、声にならなかった。

持っていた懐中電灯で、大蛇がいた場所を照らす。

やっぱり。大きな白いものが見える!

「出た、逃げろ!」

誰かの叫び声で、ようやく走り出すことができた。

一刻も早くここを去らないと!

「シュウ、シュウ」

後ろから蛇が威嚇しながら追いかけてくるような気がしたが、スポーツ選手の僕らはものすごい勢いで逃げ切った。

後で、叫んだ奴に蛇を見たのか聞いた。

「いや、俺が見たのは、白い着物に長い髪の女が吊るされてるとこだった」

この血脈桜には言い伝えがある。

京都で知り合った美しい尼がこの木の精霊となり、切り倒される前に夢に出て、切られずに今も残ったという伝説。

250年も生き抜いた妖艶な九重の桜の精は、松前城を守る白蛇様の化身だったのかもしれないと思った。

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