河原町団地一(神奈川県川崎市) | コワイハナシ47

河原町団地一(神奈川県川崎市)

神奈川県川崎市の河原町は、ほぼ全町域が団地の敷地になっている。

この団地の一号棟では、一九七四年(昭和四九)に、ペットを八階から投げ棄てて殺された飼い主が、犯人の主婦に復讐した殺人事件があった。

また一九八四年(昭和五九)には、一五歳の少女が最上階の廊下から地面に転落して死亡した。この二つの事件はテレビのワイドショーでも取り上げられ、巷間を賑わせた。

私と同い年の女性、小嶋さんはペットの事件が起きたとき小学校一年生で、家族と一号棟に住んでいた。また、転落死した少女とは二つしか歳が離れておらず、小学生の頃まではよく一緒に遊んでいた。

「自殺だということになりましたが、一階の自分のうちで一緒に遊んでいた中学校の後輩を買い物に行かせて、戻ってくるまでの間にいちばん上の一四階に上って飛び降りたそうで。自殺する動機が不明だし、遺書も無くて、なんだか不審な死に方でした。その事件の三年ぐらい前にも、同じ団地内の他の棟で殺人事件があったし、九〇年代に入ってからも子供の転落死や自殺が多くて……。祟りだって噂は私が子供の頃からありましたし、今でもあの団地は呪われてると言う人がいるみたいです」

二〇〇〇年代に入ってからも事件や自殺が何件も起き、不吉な噂が絶えないが、両親が今も住んでいるため、独立後も小嶋さんは年に数回、団地に戻るのだという。

「団地の住人が変質者に襲われて耳を刃物で切られる事件が起きたのは、ちょうど里帰りしてたときでした。片脚にギプスをした男の人が一号棟の一階の通路に落ちて死んでいるところを発見されたときにも、偶然、実家に来てました。ギプスの人は一四階に松葉杖を置いて飛び降りたそうで、昔、一五歳の子が死んだときのことを思い出しましたよ」

同世代の「団地仲間」には、幽霊や怪奇現象に遭遇した話をする者が何人もいた。小嶋さん自身は幽霊の存在などは信じないたちだったが、最近、変なことがあったので、両親を自分の家に引き取ることを検討しているそうだ。

「ある日、お昼間でしたが、母が『人が雨みたいに何百人も空から降ってくる、どうしよう』って震え声で電話を掛けてきたので駆けつけたら、本当に実家の真下に人が転落して、救急車が呼ばれて大騒ぎになってたんですよ。落ちたのはひとりだけでしたが、その夜、私も人が無数に落ちてくる夢を見て、それから実家に帰るのが怖くなってしまって……」

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