水明共同墓地の水子霊(北海道千歳市) | コワイハナシ47

水明共同墓地の水子霊(北海道千歳市)

産院の助産婦の由奈さんが友達と二人でドライブしていた時だった。

舗装されていない山道に入ってしまい、何となく進んでしまった。Uターンできる場所がなく、そのまま道なりに進んだ時だった。

『水明共同墓地』の立て看板が見えた。

近くに観音像みたいなものが見え、夜なのにぼうっと光って見えた。

「何あれ、何か光ってない?」

「……そう? わかんない。由奈は目がいいね、私よく見えなくて……」

隣でしきりに目をこする友達。

「あっ」

友達の声にドキッとして助手席をみると、何か探している。

「コンタクト落としたみたい」

仕方なくそれ以上は進むのも難しい山道だし、コンタクトレンズ探しもあるのでバックして戻っていたときだった。

バックミラー越しに後ろを見てた時、何かぼうっと白いものが見えた。

遠くに見えたのが、バックするから大きく見えてくる。

異常に高い。近づくとそれは、人間の形だった。しかし2メートル以上はあるような棒のような……で全くわからない。少し車を停めて。振り向いた。

「うわ!」

赤ちゃんを抱いた女性がものすごい人相で見ていた。

白い着物を来て、赤ちゃんを肩に抱いて。赤ちゃんの頭は肩の向こうにあるのか、足と胴体しか見えなかった。

あの抱き方は、生後2か月ぐらい……首がすわるまえの赤ちゃんだ……。と職業柄か赤ちゃんの方を見ていた。

隣の友達の肩を揺さぶるが、何故か眠ってしまっていて全く反応しない。

もう、このまま避けながらバックするしかない!

由奈さんはまたバックし始めた。普通の人ならどいてくれるはず。

しかしどいてくれる雰囲気はなかった。もう人じゃないんだ、幽霊なんだと思って、由奈さんはスピードを上げる。

当たる! と思った瞬間、その白い親子はすうっと消えた。

後はもう半狂乱でバックし、やっと車をターンして家路についた。

眠っていた友達はやっと目を覚まし、コンタクトを見つけて帰った。

その夜、どうしても体が重い。左肩がずしりと重いのだ。

病院の当直で次の夜は産院にいた。一人の看護師に肩を強く叩かれて振り向く。

「大丈夫? 左に赤ちゃん抱えたまま歩いてるけど」

驚いて肩を見る。何もない。

聞くと、その人は霊が見えるらしく、特に産院で働いてからはしょっちゅう子供の霊が見えるそうだ。

もしかして……と思い、昨日の夜の話をした。

「いや、その親子の霊は祟って出てきたんじゃなくて、身近にいる人が亡くなるって知らせにきたのかもしれないね」

「何でそんなことわかるの」

「あの共同墓地は水子供養ができているはずだから、人を襲ったりしない。身近に妊娠してる人いない? 事故に遭うとか。予知に来てる気がする。この子」

と由奈さんの肩をなでる。

ぞっとして、次の日お寺で御祓いをしてもらうことにした。

肩に榊を当てられ、何度もお経が繰り返えされるうち、すっと肩の力が取れた気がした。よかった、赤ちゃんの霊はいなくなったんだ。

家に帰ると友達からメールが届いていた。

「○○ちゃんが事故にあって亡くなられたそうです。信じられない(涙)」

共同墓地へ一緒に行った友達が突然事故で亡くなった。

後で聞いたが、彼女は不倫しており妊娠を理由に相手を脅していた。妊娠4か月だったという。ひき逃げの相手は、その不倫相手が頼んだ男だった。

あの親子の霊は、友達の未来像だったんだろうか。

由奈さんの肩がまた重くなったという。

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