語り手 | コワイハナシ47

語り手一覧

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来る(山形県)

四半世紀ほど昔。篠井さんが、高校一年生の頃の体験談である。 ばすん。突然、家じゅうの電気が消えた。 真っ暗な部屋に、打ち寄せる波の音と、防風林を渡る風の音だけが響く。 これが停電でないことは分かっている。ブレーカーが落ちたのはでないこ...

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添い寝する(宮城県白石市)

芹沢さんの叔父さんの家は、宮城県白石市にある。 周りを深い緑に囲まれて、平屋の日本家屋が建っているのだ。 その家で、叔父さん自身が体験した話である。 夜。余りの寝苦しさに、叔父さんは目が覚めた。 身体が重い。布団ごと畳に縛り付けられ...

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迷惑物件(茨城県取手市)

「都内に通える安い物件を探しちゃあ、引っ越してるんですけど、本当に不動産運がないんですよ~僕は。いつも変なのに当たっちゃいます」 と祐二さんは語った。 取手駅は常磐線で都内に出やすいので、利用するサラリーマンが多い。祐二さんもその一人だ...

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庭のお稲荷さん(茨城県 県央)

庭のお稲荷さん(茨城県) 前の住人がどういう人か、何が起きていたか、考えずに家を借りたことはないだろうか。 茨城県の県央に住んだ本田さんの話である。町は古くから商業も栄えて落ち着いた街並みに情緒がある。少し行くと農村部になり、人も優...

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幽霊アプリ 常磐線(茨城県県央)

吉野さんが出張のために、都内から常磐線の特急ひたちでいわき方面に行った時のことだった。夜だったのでどこをどう通っているのかわからなかったが、常磐線の終点までの間にあるトンネルにいわくがあるという噂があった。そのトンネルは常磐線ができた頃から...

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多良崎城跡(茨城県ひたちなか市足崎)

山田さんは城マニアで、特に城跡を調べるのが好きだった。日本中あちこち行くのには愛車の250ccバイクが欠かせない。今回はこの城跡にいくことにした。 辺りに夕闇が迫り始める十六時位の頃だった。国道245号線から奥に行くと「勝田ゴルフ倶楽部」...

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神隠しの白装束(茨城県常陸太田市)

母が十歳の頃。近所に住む五歳の女の子が姿を消した。大人達が総出で捜したが見つからない。夜になり大人でも入るのが難しい山奥でやっと見つかった。女の子の話によると、綺麗な着物姿の女に連れて行かれたという。皆は狐の仕業だと噂した。ほんの数十年前の...

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谷田部テストコース(茨城県谷田部町)

谷田部には有名な車のテストコースがあった。カー雑誌の表紙に最高速を競う、車が斜めに走っている写真があるが、それがこの谷田部テストコースで撮られていた。現在は無くなり、傾斜部分のコースだけが残っている。普通に見ると、単なる壁に見えるかもしれな...

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磔刑場跡(茨城県水戸市)

『通りゃんせ通りゃんせ ここはどこの細道じゃ 天神様の細道じゃ どうぞ通してくだしゃんせ 御用の無いもの通しゃせぬ この子の七つのお祝いに どうぞ通してくだしゃんせ』 この道が昔どんな道であり、その先にどんな地獄が待っていたか、今となって...

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覆水(北海道)

北海道で育ったHさんは、幼い頃にお父さんを亡くしてお母さんとふたり暮らしだった。 家は貧しかったが、お母さんはけっして生活苦を表に出す人ではなかったという。 ある年の夏の午後。お母さんが買い物についておいでと言う。小学校の低学年だったH...

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熱会 ノブヒロさんの話し(大阪府豊中市)

熱会(大阪府豊中市) 「この話は十一年前の二月五日から始まるんです」と、大阪で会社を経営しているエツコさんは話しはじめた。 それは、豊中市の自宅へ帰る電車の中でのこと。 向かいの座席に初老の男が、じっと自分を見つめている。 あの人、...

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雪行灯(北海道)

あるタクシーの運転手が父親から聞いたという話。 出身地の北海道に渚滑(しょこつ)という所がある。昔から瘦せた土地で水源も遠く、農耕には適さなかったという。 終戦後しばらくして、死んだものと諦めていた三人の息子が、全員無事で帰ってきた。 ...