ちょっといい話 | コワイハナシ47

ちょっといい話一覧

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一緒に(大阪市生野区)

二十年前の話だという。 当時小学生だったKさんは、桃谷の警察病院に入院していた。 Kさんのいた同じ病室に、同じ年頃の男の子がいた。 ひどい喘息の子で、毎晩毎晩発作を起こしたが、あまりの咳とその苦しそうな姿が可哀想で、文句を言う人は誰も...

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焼酎(鹿児島県)

九州と言えば焼酎と答える方も多いだろうか。 確かに九州では焼酎の蔵元が常に鎬を削っている。 その土地の風土、原材料、酒造元ごとに特徴があり、バリエーションに富む 酒が呑めるのであれば、一度蔵元探訪などを楽しむのも一興だ。 もちろん、...

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学生帽(東京都)

A子さんが高校生だった頃の話。 当時彼女は都内の下町に住んでいた。 それは三月十日だったと今もはっきりと覚えている。期末試験前の試験勉強の真っ最中だったからだ。 A子さんの家の隣のビルで改装工事がはじまり、うるさくて試験勉強どころでは...

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首なし地蔵(北海道)

北海道のある湖岸の道路に、ひとつのお地蔵さんがある。 Aさんは若い頃、暴走族仲間と随分無鉄砲なことをやっていた。 ある時、仲間たちとこのお地蔵さんの近くに車やバイクを停めてひと休みしていた時のことだ。 度胸試しをやろうということになっ...

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隣怪(福島県)

昔、実家の隣に廃屋があってね。福島県で建設業を営む野村さんはそう切り出した。 元々は小料理屋だったらしいんだけど、物心付いたときにはあばら家でさ。 柱は傾いてるし、屋根瓦は半分落ちてるし、壁も腐って穴が開いていて。 でもまだ人は住んで...

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青森乃暖(青森県)

戦後、勘蔵さん一家が満州から帰国してからの話である。 親戚を頼って得た小さな部屋で、家族五人は身を寄せ合って暮らした。 最低限の日々の糧にも困る生活だった。 「さ、さんびぃ寒いな」 秋が訪れると、勘蔵さんは隙間風に震えた。 暖を取...

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神隠しの白装束(茨城県常陸太田市)

母が十歳の頃。近所に住む五歳の女の子が姿を消した。大人達が総出で捜したが見つからない。夜になり大人でも入るのが難しい山奥でやっと見つかった。女の子の話によると、綺麗な着物姿の女に連れて行かれたという。皆は狐の仕業だと噂した。ほんの数十年前の...

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覆水(北海道)

北海道で育ったHさんは、幼い頃にお父さんを亡くしてお母さんとふたり暮らしだった。 家は貧しかったが、お母さんはけっして生活苦を表に出す人ではなかったという。 ある年の夏の午後。お母さんが買い物についておいでと言う。小学校の低学年だったH...

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雪行灯(北海道)

あるタクシーの運転手が父親から聞いたという話。 出身地の北海道に渚滑(しょこつ)という所がある。昔から瘦せた土地で水源も遠く、農耕には適さなかったという。 終戦後しばらくして、死んだものと諦めていた三人の息子が、全員無事で帰ってきた。 ...

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狸天功(奈良県)

おばあさんの幼い頃というから、戦前のことだ。 奈良県の山間部にある村での話。 肥壺を風呂だといって入っていたり、同じ道をぐるぐる回ってなかなか帰れなかったり、若い衆が綺麗な女性にたぶらかされたりして、村の者がしょっちゅう狸に化かされてい...

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お弁当狐(北海道)

北海道の厚沢部に中山という名の峠がある。 この峠道のどこかに山菜の宝庫があるのだそうだ。 ここをただひとり知っている人の話。 三年前の春。その人は籠を背負って山の中に入った。 山菜を籠に集めていると、いつからいたのか横を四、五歳の子...

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電話にでんわ(広島県)

「デートすると、必ず邪魔が入るんだよね」 伊瀬さんのボヤキを聞いた仲間内が、いの一番に思ったことは「なんて命知らずな」。 彼女は明るく元気で気のいい、気っぷのいい姐御肌の広島人である。 ただ、気が短い。 男ができると、できるだけ本性...