動物の話 | コワイハナシ47

動物の話一覧

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山野夜話(抄)第八夜(東北地方)

「おがしなごどって言えば、太郎さに起きたごどほど、訳がわがんねえもんもねえべなァ」 食後の一服を堪能しながら、佐竹さんは語り始めた。 「鉄砲ぶちの腕前だけは、大したもんだったんだげどなァ」 佐竹さんの自宅から車で数分の山の麓に、小さな...

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狐風呂(栃木県)

栃木県での話。 ある山道で車を運転していたら、急に睡魔に襲われた。 (眠ったらダメ、眠ったらダメ)と気合いを入れるが、ウトウトとしかける。 (このままじゃ危ない、車を止めて休まなきゃ) ……と、目が覚めた。 「あらっ?」 顔を上...

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マッチ棒のような芸者(茨城県笠間市)

笠間には、日本三大稲荷といわれる笠間稲荷神社を観光の中心とし、宿場町として栄えていたこともあったため、大勢の芸者さんがいたそうだ。 イッチーさんが幼少のころには、きれいな着物を着て、三味線なんかを抱えた芸者さんが、この界隈を夕暮れの時分に...

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笠間の化け狐と井筒屋(茨城県笠間市)

笠間稲荷神社の昔ながらのたたずまいのある参道を過ぎて、街道に出た向かいに「井筒屋」という約三百年の伝統をもつ旅館があった。 江戸のころは街道筋の旅籠として使われていたであろう豪奢なつくりはその形をそのまま今に残している。 坂本九夫妻が笠...

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階段(神奈川県相模原市)

櫻井さんは若い頃、相模原の米軍寄宿舎近くに猫と一緒に住んでいた。 「安いマンションがあったんスよ。まあ、マンションと言ってもこれがボロボロの老朽物件でして」 三階建てで各フロアに同じ造りの部屋が三室ずつ。広さはいずれも1Kである。 そ...

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猿と林檎(東京都葛飾区)

将来はバンドで生計を立てようと夢見て東京に出てきた徹さんは、東京下町の亀有のアパートで暮らしはじめた。 田舎の家族には「俺は必ずスターになる」と言いきって出てきたものの、なんのあてもなく、バイト生活で借りられる物件は安いアパートしかなかっ...

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天使の輪(東京都)

二〇一五年、東京都内の某図書館で「怖い朗読会」を開催したときのこと。 客席に、ひと際目立つ素敵なマダムがいた。 おそらく七十代くらいだと思うが、着ている服も、かもし出すオーラもすべてにおいて優雅な方だった。 会が終了すると、マダムは「...

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赤城山の猫(群馬県)

群馬県に赤城山という名の山は存在しない。この山地には多数の峰があって、それぞれに名前がつけられている。赤城山とは、その総称、つまり渾名なのである。最高峰の黒くろ檜び山さんが標高一八二八メートルと、全国的に見れば格別高いわけではないが、長く広...

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屋敷蛇(群馬県高崎市)

高崎市出身のS子さんが、子供の頃に祖母から聞いた話である。 当時、S子さんの祖母は五十代後半であった。同居はしていなかったが、同じ町に住んでいて、共働きの両親の代わりによく面倒を見てもらっていた。祖父母の家は庭に昔から大きな蛇が棲み着いて...

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泣きっ面にハチな男(千葉県)

以前、『「超」怖い話』のシリーズで、鯉に取り憑かれた挙げ句に台風の洪水で自室が水没した紐井君のエピソードを書いたことがあった。先日、別の仕事で一緒になる機会があって、久しぶりに彼にあった。 「最近はどう?何かいいことあった?」 「いやぁ...

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もふもふ(東京都)

都内の商社に勤める良子さんは、毎日、通勤路として日比谷公園内を通っている。 ある晩、広場を横切ると、噴水の脇に「ピレネー犬」が伏せているのに気づいた。 小さい頃から犬が大好きだった良子さんは、立ち止まって遠くから眺めたという。 四、五...

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そんな「かわうそ」などいない!(長野県)

木村さんが小学生の頃、長野の山裾にある祖父母の家を訪れたときの話だ。 昼間、散歩に野良道を歩いていると、一匹の猫が畑を横切っていた。 淡いクリーム色の体毛に、先の黒い尻尾を揺らしたシャム猫に見えた。 猫好きの木村さんは、「チッチッ」と...