すこし悲しい話 | コワイハナシ47

すこし悲しい話一覧

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人を轢く(宮城県仙台市)

――人を轢いてしまいました。場所は……。 一一〇番に寄せられた通報を元に、県警本部から指令が入る。 「またか」署員からはため息が漏れた。行かない訳にはいかないが、どうにも腰が重い。 ある時期を境に、その警察署には同じような通報が寄せら...

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感傷、形見(広島市)

感傷(広島市) グラビアアイドルのA子さんは数年前、友だちの紹介でBさんという男性と知り合った。広島に住む人でA子さんの大ファンだという。その人とはなぜか気があった。 ある時など、東京のホテルで開催したパーティーにまでわざわざ広島から駆...

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初恋のひと~卒業アルバムにいない人(広島県)

東京でひとり暮らしをしていた涼さんは、久しぶりに広島の実家へ帰省すると、高校時代に仲の良かった女だち数人と食事をすることになった。 涼さんは男性だが、むかしから女性のともだちが多い。 十八年ぶりの再会で美由紀さんがアルバムを持参してきて...

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足下からの煙(新潟県)

随分前に亡くなった私の祖父が、まだ若かった頃の話だ。 祖父は一時期、新津市の役場に勤めていたことがある。 そこでは施設の警備のため、交代で職員が宿直を行う決まりとなっていた。 ある晩のこと。 祖父が宿直をしていると、事前の知らせもな...

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西日の廊下で(東京都)

新卒採用されて以来、某テレビ局に勤めている佐藤英治さんは、晩秋の午後二時頃、東京都内にある本局の廊下で顔なじみのニュース記者とすれちがった。 顔なじみと言っても、あちらは三年先輩で佐藤さんは後輩。名前は峯さんという。 ニュース記者には豪...

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兄の帰還(長野市)

Mさんという八十代の男性が体験した話である。 昭和十九(一九四四)年の盛夏のことだという。そのとき、Mさんは八歳だった。 ある日、Mさんは母親から隣村の乾物屋までお使いを頼まれた。距離にして十五キロメートルほどの道程を徒歩で行かなければ...

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卒業旅行 自転車の旅(京都府)

高校三年の三学期、東京都品川区在住の石田隼人さんと親友の柿本真吾さんは、揃って大学に推薦入学が決まった。 「揃って」といっても進学先は別々である。二〇〇八年の春、隼人さんは京都府内の大学へ、真吾さんは都内の大学へ、それぞれ進むことになった...

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録音した古いファイル(青森県)

聡子さんは現在OLをしている。彼女は高校生の頃、声優になりたかった。 今もまだ若い聡子さんの周りには、時代柄か声優志望が何人もいたそうだ。 当時聡子さんは、とにかく自分の声を録音して聞くようにしていた。 パソコンの内臓マイクに向かって...

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かわいいですね(長野県)

自衛隊に入隊している友人が語ってくれた悲話である。 以前、彼は長野県の駐屯地に駐屯しており、山岳レンジャー(特殊部隊)に所属していた。 この話はその上官(A氏)の身に起こった事である。 十数年前の夕方、付近の山中において航空機事故が発...

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ある交差点の花束(北海道札幌市)

厚別中央通りを真栄方面に進むと、左手に某学校が近い交差点がある。 心霊スポットと呼ばれるような場所ではないのだが、興味深い話を聞けたので、ここに記させてもらう。 石原さんは勤務先が変わり、通勤でこのルートを通るようになった。 ある交差...

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『サトリ』 筑波山(茨城県つくば市)

『サトリ』 そう人は彼のことを呼んだ。 昭和もまだ始まりの頃のことである。 彼は小さい頃から誰が帰ってきているか、誰が遊びにきたかを当てていた。土が盛ってある場所に連れて行くと、その下に何が埋まっているかも当てた。 その噂を聞いて、...

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魂の荷重津波の跡(宮城県仙台市若林区荒浜)

仙台で内装施工会社に勤務している高橋正さんは、二〇一一年四月のその日、市内で愛用のトラックを運転していた。 白いマツダのボンゴトラック850が高橋さんの相棒だ。 彼は会社で資材の管理を担当していて、中型の貨物自動車を二〇年以上運転してき...